対応機種 | ファミリーコンピュータ |
発売日 | 1985/11/29 |
価格 | 5500円 |
発売元 | エニックス |
ファミコン初の推理アドベンチャーゲームということで、かなり話題になった。
元々はパソコンで売りだされていたものの移植作品となる。
「ドラゴンクエスト」の堀井雄二の初期の作品で、このころからいわゆる「堀井節」が炸裂していた。
テキストの質が非常に高く、また、推理物としても、高いクオリティを発揮している。
ただ同時に少ない情報量(ヒント)でゲームを進めなければならないため、難易度も高かった。
コマンド総当りで攻略されてしまわないよう、暗号を仕込んだり、カーソルで画面上を調べるモードも搭載されており、このカーソルを使ってキーアイテムを見つけ出すのが本当に大変であった。
パソコン版では、当時主流だった、コマンド直接入力(移動したければ、キーボードで「イドウ」と入力し、その後に行き先を入れる)するタイプのものだったが、その後現在のコマンド選択型のものが登場してきて
本作は、コマンド選択型を採用している。
ファミコン版では、隠し部屋が、ウィザードリィのような3Dダンジョン迷路に変更されている。これは、ファミコン版ならではのサービスとして追加したつもりだったのだろうが、シナリオとの整合性が全く取れておらず違和感バリバリであった。
(なぜただの一軒家の地下に明らかに不釣合で広大な地下ダンジョンが作られているのか?など)
また、難易度を引き上げる原因の一つとなっている。
その他にも、パソコン版とは細部が色々変わっているようだ。しかし、基本的なストーリーに変更はない。ゲームとしてはいい感じにシェイプされてコンパクトになっていて、遊びやすくなっていると言える。
このころのADVにはまだあった、いわゆるハマリ状態(何をやっても絶対に先へ進めなくなる古典的なトラップ)にならない点も親切設計と言える。
ファミコン初の推理アドベンチャーという新境地を開拓した作品でありながら、インターフェイスやシステム周り全てにおいて、そのジャンルの基礎を築くほどの高いポテンシャルを持ったゲームソフトだ。そこで結論。
堀井雄二は昔から凄かった。