ラチェット&クランク


対応機種プレイステーション2
発売日2002/12/03
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2002 Sony Computer Entertainment / Insomniac Games
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要するに「マリオ64」タイプの3Dアクションゲーム。
海外スタジオが制作を行っており、SCE的には「クラッシュバンディクー」や「ジャック×ダクスター」と同じ流れをくむ作品と思ってもらって良いと思う。
実際、それらを制作したノーティドッグが制作協力しており、ノウハウの共有などが行われているようだ。

ゲームとしては、いわゆる子供向けのアクションゲームなのだが、ガラメカと呼ばれる武器の使い分けや、場所場所で適切なアクションを求められることもあり、良い意味で全然子供向けゲームではない。
ホバーレースやドッグファイトといったミニゲームも豊富に用意されており、それぞれちょっと作り込めば一つのゲームとして成立しそうな程、よく出来ている。ここらへんの作りは「クラッシュバンディクー3」辺りを想起させる。
全体的にアクションゲームとしても良く作り込まれており、さすが超大作を自称するだけはあるクオリティである。

グラフィックはかなり綺麗で、遠景までしっかり描画されている上に、60フレームの滑らかさを維持している。読み込みもストレスがないタイミングで行われ、逆にどこで読み込んでるの?と不思議になってしまうぐらいだ。
技術的な質の高さもなかなかのもので、SCEはこれを本気で看板タイトルにしたいんだという意気込みを感じさせる。

アクション部分はよくできているのであるが、メニュー周りのインターフェースがだいぶ良くない。
○ボタンと×ボタンが決定で、△ボタンがキャンセルの役割を果たしているのであるが、場所によっては○ボタンと×ボタンが別々の役割を持っていることがある。これでは少々困惑する。
メニュー項目がいまいち洗練されていなくて、迷ってしまう作りになっているのも惜しい。実際私は最後までどの項目に何が置かれているかなど、よくわからないままクリアした。

一つの惑星が1ステージとなっており、1ステージに複数のミッションが用意されている。大抵はスタート地点から分岐した道を道なりに進んでゴール地点を目指せば良い作りになっている。
この辺りが「マリオ64」っぽいが、贅沢を言うともう少しクリア条件にバリエーションが欲しかったかもしれない。ほとんどのミッションはアスレチックアクションをクリアして目的地につくことで達せられるのだ。
ゲームとしてのボリュームもしっかりしているが、それ故に逆に単調さを感じさせる場面がなくはなかった。

ただクリアするだけでも10時間程度と、なかなかのボリュームになっているが、さらにやりこみ要素が豊富に用意されていて、長く遊べる工夫がなされている。
が、こちらはかなり難易度が高く設定されており、一筋縄では行かない作りとなっている。こちらに関してはもう少しハードルを下げても良かったかと思う。
ガラメカを買うためのお金稼ぎが結構大変で、普通にゲームを進めていると自然と溜まっていくが、全てのガラメカを揃えようとするとメチャクチャ大変という位置にあり、バランス自体はなかなか良い。
ただ、このゲームの通貨であるボルトが銀色で、目立たない色合いになっていて、「マリオ」シリーズで言うコインのようにプレイヤーを誘導するように配置していたりするが、見えづらいので機能していなかったり、色々残念。

また、最後のボスが(それまでのボスと比べると)やたら強く設定されているのも、参った。

「マリオ64」の物真似で終わってしまわないよう、SF要素を全面に押し出して、ガラメカを使った撃ち合いなどで差別化をきちんと図っているところもポイント高い。

ただ、カメラワークは自分で操作できるものの、もう少し良い位置に動いてくれても良かった気も。

「マリオ64」を手本に、そして良い感じに脱皮した、良作。





[2019/11/13]
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