龍が如く 極2


対応機種プレイステーション4
発売日2017/12/07
価格6900円
発売元セガ

(c)2017 SEGA
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2006年、プレイステーション2で発売された「龍が如く2」を、実に11年ぶりにフルリメイク!!
「龍が如く6」で開発された「ドラゴンエンジン」を用いた豪華な仕様となっており、期待が持てる作品だ!!

大まかなゲーム内容は、既に書いたとおり、「龍が如く6」のゲームエンジンで、「龍が如く2」をフルリメイクしたものと言った一言で説明がつく。
基本的な内容については、「龍が如く6」のレビューの方で書いているので、そちらを参照していただきたい。

「龍が如く6」では、サブストーリー含めほぼ全てがフルボイスのイベントシーンという非常にリッチな作りだったが、
今作では、規模的に難しかったのか、原作でムービーに起こしていた部分のみボイス入りのイベントシーンで、それ以外はテキストベースのイベントになっている。

まあ、妥当な選択だろうと思う(「龍が如く6」ではフルボイスなので、「もしかしたら!?」という期待感が外されたのも事実ではあるが)。
ただでさえ、ムービーシーンの多い作品であるので、重要なシーンのみムービーにして、それ以外はテキストで読ませるという作りのほうがゲームとしては断然合理的だ。

しかし、このシリーズはいつもなのだが、テキスト周りのインターフェイスがイマイチ良くない。
一作、二作程度なら、欠点として指摘するほどじゃあないんだけど、文字送りの操作感がどうもイマイチで、モーションに引っかかって飛ばせなかったり、セリフ量が少ない箇所だと、読めずに一瞬で飛ばしてしまったり、
と言った、細かい操作性の悪さが気になる。
今作で逆に気になったのは、モーションに引っかかるのではなく、テキストを飛ばそうとすると、モーションまで飛ばしてしまってキャラがワープするという現象が良く起こる。

メッセージスピードの変更も出来ないし、どうもこのゲームは、初見だと文字送りせずにデフォルトのセリフ表示スピードで読んでほしいのではないかと勘ぐってしまう。

モーションとセリフを同時に表示させるのを多用するのではなく、モーションさせてからセリフを出すとか、セリフを出してからモーションをさせる、みたいな工夫をしたほうが良いのではないだろうか。
同時にやられても、どっちを見ればよいか混乱してしまう。
テンポが悪くなるから、という配慮なのだと思うが、もうちょっと良い処理構成をしてほしいように思う。

どうやら主要登場人物の一部キャストを(現状では出演が難しいとかそういう事情もあったのだろうが)差し替えたり、同じ配役でもセリフはほとんどおんなじなのに、
ボイス自体をわざわざ撮り直すと言った手の込んだ事を行っているようだ。

この辺のキャスティングや演技指導等、長年のノウハウが蓄積されてきたからこそなせる技で、遊んでいる間は「まさかわざわざ全編撮り直しじゃないよね?」と思いながら遊んでいたぐらい違和感がなかったので、
クリア後に公式サイトで全編撮り直しだと知った時は驚いたものだ。

「龍が如く6」では、かなりのミニゲームが思い切ってなくなっていたが、やはり不評だったのか、いくつかの常連ミニゲームが「復活」している。
UFOキャッチャー、地下闘技場、将棋、ギャンブル系全般、が、復活している。
原作で入っていたボウリング、ミニゲームとは言え実機シミュレーターとして当時話題になったパチンコ、パチスロはそれでも復活していない(おそらくよほど人気のないミニゲームだからなのだろう)

個人的には、あまりミニゲームを入れられても遊びきれないので、量よりも質をとってほしいと思う。
例えば、もうゲーセンに入ってUFOキャッチャーで遊べても、何も驚きはないし、それが“当たり前”になってしまってるから、入れざるを得なくなってしまっているのだろう。
だけど、やり込もうとすると、途端に「やらなきゃいけないもの」と言う負担になる。それならば、新しいことをやったほうが断然いい。
今作は飽くまでフルリメイクでもあるので、「龍が如く2」を再現する必要もあるわけだ。だから、あえて「復活」させたのだろう。

キャバクラ経営のサブストーリーが、「水商売アイランド」としてパワーアップされて登場。もうこれだけで一本のゲーム作れるんじゃね?というぐらい豪華になってリニューアルされている。
専用の新規サブストーリーもあてがわれ、もう、原作プレイ済みの人からしたら、感動すら覚えるのではないだろうか。

もう一つ、「龍が如く6」にあった「クランクリエイター」が、再登場(「龍が如く6」でよほど好評だったのだろうか)。
とはいえ、名前は一緒だが、中身は別物で、防衛型のいわゆるタワーディフェンスゲームとなっている。
こちらは、操作性がちょっとイマイチで、「まあミニゲームだしこんなものだよね」といった水準に“格下げ”されてしまっているのが、少々残念に感じた。

「クランクリエイター」も、専用のサブストーリーがついているのだが、「龍が如く6」同様、登場人物が全員プロレスラーで、しかも結構な大御所を起用しているのだから凄い。
「龍が如く6」の時は、ただ出てきただけという感じだったが、演技指導も力が入っていたのか、かなり本格的で、みんな役に入りきっている。
それにしても、プロレスラーの悪役ヅラが、なんともフィクションの世界の悪役と、見事にフィットしていて、それだけで(至って真面目なシーンなのに)笑えてしまう。
ある意味、今作で最も見どころと言っても過言ではないぐらい、面白味のあるサブストーリーではないだろうか(笑)。

追加要素の一つとして、真島を主人公にした真島編があるが、1時間程度で終わる短編であり、ゲームとしてのボリュームも期待しない方がいい、あくまでもおまけ要素である。
ただ、真島の兄ちゃんを実際に動かして戦える、ストーリーを追うだけの作りだが、各地に用意された強敵とのバトルといった遊びがあり、中々わかっている作りを目指している。
これには素直にファンは感動するモードだと言えないだろうか。

既に書いたものもあるが、「龍が如く6」で言われただろう不満点を改善している。
おなじみのなくなったミニゲームが復活していたり、強制オートセーブ機能がなくなり、手動でセーブする形に戻った(セーブは好きな時に出来る)。
ダッシュ移動など、強化しなければ長い距離走れないといった不満も、初期状態でも結構な距離走れる状態から始まるようにしている。
後は、一度注文した料理がその場でわかるように改良されている等。
しかし、能力強化のラインナップに相変わらず経験値獲得量アップとか、そういうカテゴリの項目が多すぎると思う。今作は割合強化項目に納得感が持てるバランスとラインナップになってきたと思うが...。

要はまとめると、「龍が如く6」の皮をかぶった「龍が如く2」なので、実のところ、あまり書くことがない。
「龍が如く6」やってると新鮮味も、それほどない。もっというと「龍が如く6」が良すぎたというか、かなり力の入った作品に仕上がっていたので、それと比べると今作はどうしても見劣りして見えてしまうのが惜しい。

この辺は所詮リメイク作品というか、
いわば、「龍が如く 極」シリーズ自体が、現代の技術を使った高級フルリメイクという趣旨なのだから、当然なのだが。
(やはり3以降も、極シリーズとしてフルリメイクしていくのだろうか)

そこで結論。

「龍が如く2」未経験者は勿論、プレイ済みのプレイヤーが久々に遊ぶのにも丁度よい作品。





[2017/12/11]
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