シャイニングフォース3 シナリオ2 狙われた神子


対応機種セガサターン
発売日1998/04/29
価格4800円
発売元セガ

(c)1992 1993 1997 1998 SEGA / SONIC / CAMELOT
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人気シリーズ「シャイニングフォース3」三部作の、二作目。
シナリオ1では、共和国軍のシンビオスが主人公だったのに対し、今作は敵対する帝国軍のメディオン王子の視点で物語が描かれる。

シナリオ1のクリアデータをコンバートすることで、シナリオ1で取った行動が反映され、ストーリーが変化するように出来ている。
勿論、無くてもプレイすることは出来るが、シナリオ1をクリアしている方が断然楽しめる作りとなっている「シンクロニシティシステム」が特徴だ。

ベースとなるゲームシステムは、前作のシナリオ1と同じもので、多少細部がチューンナップされている程度。

例えば、戦闘シーンのカメラワークや演出、テクスチャーが、より洗練され、ダイナミックで迫力あふれるものへとグレードアップしている。
戦闘時のメッセージ速度がコンフィグで選択したものと連動するようになったため、最高速にするとシナリオ1よりも高速化表示されるようになり、テンポがよくなっている。
武器屋で武器を買う時に射程が表示されるようになった。本陣に人物事典が追加され、複雑なストーリーを読み解きやすく配慮が加えられている点等。

これ以外に関しては、ほとんどゲーム内容がシナリオ1と同一なので、ここであえてくどくどと語ることがない。なので、前作よりも少々厳しめに不満点を取り上げる。

どうも、主人公が喋らないという形式を取っているためか、前作では喋っていたメディオンが喋らなくなり、逆に、前作では喋らなかったシンビオスには台詞が当てられている。
おそらく、ドラゴンクエストの“主人公は喋らない”というゲームデザインを頑なに守っているためかと思われる。が、シナリオ展開上不自然だし、プレイヤーはなんだか歯抜けのテキスト(台本)を読まされてる気分になる。
何より、シナリオ1からプレイしていると、同じシーンでも、前作では喋らなかったシンビオスが今作では喋っているという光景がどうにも変。
複数の主人公を使って、一つの物語を見せていくのだとしたら、主人公候補の人間は他作品でも喋らせないか、もしくは喋らせるように統一した方がいい。

今回は凝ったイベント仕立てのステージが増えていて面白い一方、強制的なステージが多く、じっくりとキャラクタを育成しながら進めていくことが難しい。
また、シナリオ1をプレイしていることが前提なのか、難易度が全般的に高めである。
最終面が相変わらず、シナリオ1と同じ手口の難しさなのも閉口。シナリオ1より若干やさしくなっているものの、レベル上げが必要で、ステージ自体も長丁場になるためにセーブ&ロードも必須というのは直してほしかった。

大体ゲーム中盤頃、クラスチェンジ出来るあたりのタイミングから、パラメーターがインフレ傾向になり、ついてこれないユニットが出てきてしまう。
それまでは、いいゲームバランスだっただけに、かなり惜しい。
リターンで何度でも戻って経験値稼ぎの出来るゲームではあるが、出現する敵ユニットの強さについていけなくなると、弱ユニットに経験値を与えるのも難しくなってしまう。
今作は、この辺のバランスが特に荒っぽく感じられたのが残念だった。

厳しめに取り上げてしまったが、S.RPGとしては濃い口の作りで、クオリティが高いのは間違いない。
しかし、相変わらず読みにくい説明口調のテキストや、物陰が多く出来て見づらい3Dフィールドなど、惜しい部分が数多く目立って見えてしまうため、そのギャップが残念でならない。
プレイヤーにもっと配慮のある作りを目指せば、ガラリと印象が変わるゲームだ。そこで結論。

遊ぶなら、絶対にシナリオ1から遊べ!





[2017/05/22]
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