不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫


対応機種Wii
発売日2008/06/05
価格6800円
発売元セガ

(c)2008 SEGA / CHUNSOFT / すぎやまこういち
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死んだら1からやり直し、1000回遊べるRPGとして一部でカルトな人気を出している風来のシレンシリーズの新作。
ドリームキャスト版「アスカ見参」以来の新作である。

発売前情報で、このシリーズの鉄則である「やられたらLV1からやり直し」が今作では撤廃され、LVが蓄積されることに批判が集中した。
確かにゲームクリアまでで関して言えば、ごり押しで攻略出来るゲームと言っても過言ではない。別ゲーと言われても仕方がない内容である。
ストーリー性を非常に強めていて、イベントによる強制も多い。

ゲーム難易度は、回復アイテムを集めて温存しておけば、エンディングまではそれだけでクリア出来る。
レベルは引き継がれるが、負けるとアイテムはすべてなくなってしまう。
その都度、序盤のダンジョンでアイテムを集めておく必要がある。

これまでは、LV1で拠点の町に戻されていたが、今作では最新のダンジョンを攻略するには、あらかじめアイテムが無いと太刀打ち出来ない。
ちなみに難易度選択でイージーを選べば、やられてもアイテムも残る。

まあ、結局やってることは一緒というわけだ。うまいプレイヤーはやられずに手持ちのアイテムをやりくりしてサクサク進めていくが、やられるプレイヤーは稼ぎプレイをしなければならない。
個人的には、全部なくなって戻される方がやり甲斐はあると思う。ただ、少しは手元に残るものがないとやる気が出ないというユーザーも多いと思う。苦渋の決断だったろう。
安定してアイテムを集めたり、装備を鍛えたり出来るので、作業的にはなるが、遊びやすいとは思う。

ただ、強制的なイベントがあって、序盤のダンジョンにいけなくなるときがあったり、ボス戦で危なくなっても「脱出の巻物」が使えないなど、理不尽なところが気になる。

シナリオは外部のライターを雇ったり、イベントムービーが挿入されたり、かなり力が入っている。
しかし、シレンのストーリーは個人的にあまり面白くない気がする。ドラゴンクエストのように、主人公を喋らせないようにしているが、どうにも話に入り込めない。
力のいれどころを間違えたと言わざるを得ないが、製品として売り出すには、こういう要素にも気を配る必要は十分にあったろう。

今回はグラフィックはすべてポリゴンで描かれている。ただ、PS2「ヤンガスと不思議のダンジョン」のように立体的なカメラワークのようなくどい演出は無い。
すべてポリゴンのせいか、歩行速度が遅かったり、手前の壁に落ちているアイテムが隠れてしまったり、色々とまずい部分が気になる。
他にも、メニュー周りのキーレスポンスが悪かったり、細かい部分での手落ちが目に付く。
この手のゲームでは非常に重要なことなのでちゃんとして欲しかった。
贅沢な話かもしれないが、グラフィックのクオリティももう少しあげれなかったものか。

キャラクターの等身を上げたり、台詞回しを変更するなど、イメージチェンジをはかっている。
特にシレンは毎回イメチェンされすぎだと思う。和風の世界観なのにやたら横文字を使うメッセージなんかにも違和感を感じたのだが。

音楽は全てリニューアルされてしまったが、前作までの方が好きだった。今回あまりすぎやまこういち関わってない?

ネットワークを使った風来救助はもちろんのこと、ダンジョン対戦や新ダンジョン配信といった新しい要素も加わっている。
もちろんクリア後に従来のやりこみプレイヤー用のダンジョンなんかも用意されているので、作品単体で言えば、それほど悪いものではない。そこで結論。

間口を広げようとしたが、実態はあまり広がっていないゲーム。





[2008/06/19]
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