スリーピングドッグス 香港秘密警察


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2012/09/27
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2012 SQUARE ENIX / United Front Games
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「トゥルークライム」(グランドセフトオートの警官版のようなもの)3作目として開発されていたが、パブリッシャーのアクティビジョンが開発の中止を決定。
その後、このプロジェクトをスクウェアエニックスが買い取り、完成にこぎつけた経緯がある。
タイトルが「トゥルークライム」じゃないのは、タイトル名の版権まで購入しなかったという事情がある。

乱暴に例えるなら「オープンワールドになった龍が如く」。
格闘戦あり、銃撃戦あり、カーチェイスあり、ストリートレースあり、熱いストーリーあり、探索収集要素あり(ちなみに、敢えて龍が如くで例えたのには理由があり、カラオケのミニゲームがあるからだ)。
オープンワールドの良いとこ取りのごった煮的ゲームでありながら、どの要素も本格的でクオリティが高く、しっかり楽しめるものになっている。

格闘戦は、ガードボタンが無いことが最初ありえないという印象を持つだろうが、代わりにカウンター攻撃が出しやすく(判定が甘すぎる上に、攻撃する敵が赤色に点灯する)、流れるような勢いの爽快感あふれるバトルを味わえる。
カウンターのモーションの種類も豊富で、演出もセンスがあって良い。オブジェクトを利用したフリースタイルフィニッシュというアクションは、セガ「龍が如く」的なユニークさがあって面白い。

銃撃戦は、こういうのが苦手な人への配慮が行き届いていて、エイムアシストがあったり、難易度が低めに抑えられていたりと、こちらも気持ちよく遊べるように作られている。

警官の潜入捜査という複雑な設定ゆえに、自由度の高さを若干殺してしまっている側面があったが、そのへんは今作ではすっきりさせていて、あまり気にしないでも良いようになっている。

このように、全体的に良くまとまった完成度の高い作品になっているのだが、オープンワールドのクライムアクションは、もはや飽和状態である。
そのため、強烈な売りや、他を凌駕するオリジナリティーなどこれといった目立った長所が見当たらなかった本作は、本場の海外メーカー、アクティビジョン社が発売を打ち切ってしまったことについて、
実際プレイしていると、なんとなく納得してしまうのも一方で感じられる。

香港を舞台にしたことによる混沌とした多国籍な空気の面白さ、逆に洋ゲー特有の大雑把さは気になるものの、間口は非常に広くて、遊びやすく全体的にまとまってて良くできたゲームだ。

しかしそれでも、海外からすれば、このレベルの作品も(他の事情もあるだろうが)開発を打ち切るほど競争率が高いのだ。
個人的には、セガ「龍が如くシリーズ」の進化の過程を見ていると、国産ゲームが洋ゲーと同じ土俵で戦うことはもはや次元が違いすぎて勝負にならない領域に入ってしまってしまったのではないかと残念になる。
勿論、国産ゲームには国産ゲームの良い部分があるので、それで勝負すればいいのだが...。そこで結論。

新鮮味に乏しいものの、全体的に綺麗にまとまった遊べるゲーム。





[2012/10/22]
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