対応機種 | PCエンジン(SUPER CD-ROM2) |
発売日 | 1992/10/23 |
価格 | 7800円 |
発売元 | コナミ |
「メタルギア」の小島秀夫が、コンシューマ初挑戦。
パソコン版で未完結のまま発売され物議を醸した「スナッチャー」の完全パワーアップ版で送る最終形態。
また、コナミ初のCD-ROM作品というところも注目すべき点だ。
PC-Eにアドベンチャーというのは、まさに鬼に金棒状態であり、完成度は抜群に高い。
豪華声優が喋り、ビジュアルシーンはバリバリ動く。
ADVの肝となるシナリオのクオリティも相当高く、説明書の他に分厚い設定資料集が付属しており、
スナッチャーのミリ単位での細かな設計図に至るまでしっかり記載され、かなり精密に構築された世界観によって、厚味のある内容になっている。
当然テキストの出来も良く、ゲーム後半は少々専門用語の羅列が気になるが、それだけレベルの高い作品と言うことが伝わってくる。
ディスクロードも概ね早く引っ掛かるところはない。ボイスで喋らせるところや見せ場も心得ており、構成のバランスも絶妙で何度遊んでもイライラせず楽しめる。
ゲームの所々で射撃シーンがあり、ここではモグラ叩き的な反射神経を要求される。いわゆる戦闘シーンだ。
これによって、コマンドを選ぶだけでないゲーム性が、ADVでありながら適度な緊張感を持たせることに成功している。
物語のジャンルとしては近未来の推理ものだが、従来のフラグ立ての大変なものとは違い、引っ掛かることなく先へ進める。
ADVとしての難易度は低くゲームとして希薄な印象を受けるが、シナリオや演出が素晴らしいので全然気にならない。むしろ、新しいADVの形として歓迎出来る。
かといって、極端にプレイヤーに答えを求めるような箇所もあり、ゲームという媒体を上手に使っている。
勝手に話ばかりが進んで疎外感を感じて冷めるというようなこともなくぐんぐん引き込まれていく。
PCエンジンを持っていてこれを遊ばないのは間違いなく損だと自信を持って断言出来る名作だ。
ずば抜けたセンスと作り込みが光る珠玉の名作。