スタートリングオデッセイ


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2)
発売日1993/10/22
価格8200円
発売元レイフォース

(c)1993 Ray Force
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これといった特徴のないドラクエタイプのオーソドックスなロールプレイングゲームだが、豪華声優が演じるビジュアルシーン、
BGM作曲には「宇宙戦艦ヤマト」の宮川奏を起用した、いわゆるPCエンジンらしい作りの大作RPGとなっている。

処理周り、レスポンス関係は軽快で、ディスクアクセスも早い。
インターフェイスは戦闘時に魔法・アイテムの説明文が読めないのがきついぐらいで、概ね快適な出来。

細かいところだと、装備品を買い換えるときの情報が無くて不便、メッセージ飛ばしのレスポンスの反応が良すぎて、間違って飛ばしてしまう、
戦闘画面のターゲット選択、誰が誰に攻撃を受けたのかが飛ばしていると少々わかりにくいというところなど、気になるところは多い。

ビジュアルシーンのクオリティも高く、ハードの使い方が悪いのか、声を再生しながらBGMを流せず一貫して無音なのが気になるが、それ以外は文句の出ない完成度。

極端に出来が悪いわけではないのだが、全体的にゲーム作りにまだ慣れてないらしく、無視できない粗が目立っている。

エンカウント率が高めで、幸い戦闘自体はヌルくすぐ終わるためそれほどしんどさはないが、うざったい。
序盤こそやや経験値稼ぎが必要とされるものの、全体的に抑揚がなく、単調すぎて退屈なゲームバランス。

意図的にやっているところもあるようだ。
こちらのレベルによって出現する敵の数が変化するようになっているのだが、中盤以降はレベルアップのパラメータ上昇分程度では敵の強さについていけないため、
低レベルで進めたほうがザコ敵が絶対に1体ずつしか出現しないため楽だったり、バランス調整が思った通りに機能していない。

フィールドのドットの塗りが古臭くチープさが漂っている。また、ダンジョンマップは構造が平坦で面白みがなく、これといった仕掛けもないため、つまらない。
イベントシーンの処理も非常に雑で冷める。ビジュアルシーンは量的に決して少なくはないのだが、ゲーム全体の総量と比較すると、やはり物足りない。
この見せ場はぜひビジュアルシーンに起こしてほしいと思う部分が、たいていはフィールド上の簡単な演出だけで終わっていることが多くがっかりする。
ビジュアルシーン以外で、声優のボイスがあたっている台詞がないため、落差が激しいのも厳しい。
シナリオについても、展開が急過ぎる箇所、独りよがりな箇所が目立っている。

ステータスのパラメータ名称、ダメージ計算式、アイテム名の覚えづらさと数の多さといった、RPGの基本的な要素が稚拙で、ちゃんと出来てない。
快適にクリアまで遊べるように、敢えて難易度を簡単にしていることと、ビジュアルシーンだけはそこそこ見れる水準ということもあって、
あまり気にならないといった向きもあるのだが、やはりゲームとしてもう少ししっかり作りこむべきだろう。
技術的にはCD-ROM初期の作品といったところだ。そこで結論。

節々に素人臭さが残っている。もっと努力が必要。





[2014/09/06]
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