テイルズオブヴェスペリア


対応機種プレイステーション3
発売日2009/09/17
価格7800円
発売元バンダイナムコゲームス

(c)2008 2009 NBGI / NAMCO TALES STUDIO / 藤島康介
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一昨年Xbox360向けに発売された「テイルズオブヴェスペリア」が、好評のため、プレイステーション3にも移植された。
新型プレイステーション3の発売に合わせて投入され、移植作品ながらキラータイトルの一本として注目を集めた。

大量の追加要素があり、もはや新作と言っても差し支えないほどのボリュームを抱え込んでいる。
Xbox360版で本来入れるつもりだった要素(DVD-ROM一枚という容量の関係で収録を断念せざるを得なかったのだろう)までをも内包しており、
先行して購入したユーザーからの批判の声も強く挙がったほどである。

こういったことに「金に汚い」といった不満の声をあげる人もいると思うが、個人的には営利企業なのだからやって当然のおこないであり、文句があるのなら買わなければいいのである。
移植や焼き直し作品にかかるケースは今に始まったことでもないし、現在の据え置き機の性能では、開発費も莫大になるため、何もこのゲームに限らず、他の作品も積極的に移植されている。
そして、移植されるまでの間、時間があるのなら、後発の強みで、新たな要素を付加するということは、寧ろサービス精神旺盛の行為ととれる。

Xbox360版にはいなかった、完全新キャラの海賊「パティ」の追加に伴う、脚本の書き直しや追加イベントが何より大きい。
アニメムービーでも、わざわざ彼女のカットが追加されるぐらいだ。
Xbox360で既に遊んでいるユーザーでも、新しい気持ちで楽しめる。
アイテムやスキル、ミニゲーム、そしてシステム周りの改善などのぬかりない追加が山ほどあり、やり込みをしないプレイヤーでも、追加要素の恩恵をしっかり受けられる辺り、素晴らしい内容と言える。

インターフェイスに大きな違いはないが、セーブファイルが「プレイステーション3」仕様になっている。
ファイルの欄に、ゲームの進行度に合わせた副題が付くのは、些細な点ながら、良い配慮だと感じた。
本体をオンラインの状態でプレーしていると、セーブ時にプレイヤーのレコード(敵を倒した数といったプレイ履歴)をアップロードしにいくのだが、この処理が少々うざったく感じた。
×ボタンでキャンセル出来るし、どうしても気になって嫌ならオフラインで遊べば良い。

また、インストール機能も付いており、Xbox360版のように、ゲームデーターを取り込み、快適にプレイ出来るようになっている(Xbox360のインストール機能は本体に入っているが、プレイステーション3はソフトに依存している)。

ブルーレイディスクの大容量を生かした、大量の追加要素によって、今回新しく遊ぶ人は勿論、一度遊んだ人も、楽しめる作りの良い内容になっていると思う。
惜しむらくは、スタッフのミスだと思うが、Xbox360版がDVD-ROMに収めきれず断念したという痕跡が残っており、不完全バージョンと揶揄されてしまっていることだろう。
後発版として、素直に高評価を与えられるソフトだ。他のメーカーにも見習わせたいものである。無論、後付け移植前提の、売り方をするのが良いという意味では無い。そこで結論。

好きな人は素直に買うべし。やってない人はこれを機に遊ぶべし。





[2009/10/07]
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