| 対応機種 | ゲームキューブ |
| 発売日 | 2003/06/26 |
| 価格 | 6800円 |
| 発売元 | カプコン |
全編トゥーンレンダリングで送る、アメコミ風の世界観で、敵の攻撃を華麗に避け、美しく舞う、それがビューティフルジョー!!
映画の中で戦っているという奇抜な設定で、スロー、マックススピード、ズームといったVFXアクションを使いこなし、目指せハッピーエンド!!
フィールドはポリゴンで描かれているが、ゲームシステム的には完全な2Dの横スクロールアクションという凄い割り切りっぷり。
たまに変なカメラワークになることが気になったが、基本となるゲームシステムは見た目以上にシンプルで、ある意味古風で、取っ付きは良い。
ところが、ゲーム開始直後は、「訳わかんねぇ」となること必至。
というのも、基本は敵の攻撃を避けてスキができたところを攻撃という作りになっていて、それに加えて前述した3つのVFXアクションをフル活用しなければ、ゲームを上手くすすめることが出来ないためだ。
一応、ステージを進めるごとに段階的にVFXアクションの機能が追加されていく作りになっているが、能力を組み合わせて使うとか、細かな特性についてはゲーム上では解説されないため、マニュアルを見ないと「知らなかった」となる事実が多数ある。
(というか、箱付きなのにマニュアルなしという稀な状態の中古を買ってしまったため、マニュアルにどこまで記述されているのかわからないのですが。個人的にはおかげでえらく苦労した)
ゲームキューブのコントローラのほぼ全てを駆使した操作は、慣れるまでは時間がかかるため、ゲームとしての難易度は比較的高めである。
ただし、時間をかけてプレイしていき、習熟していくと確実に腕の上達を実感できる位置にあり、さすがアクションのカプコンと言いたくなる調整となっている。
「美しく戦う」というのがコンセプトのため、基本は敵がスキを見せた瞬間に攻撃を叩き込むという作りになっている。
しかし、ザコ敵に関しては、ほとんどやられるために動いている感じで、それとない動きでプレイヤーに密着して来る。それを華麗なコンボで一度にたくさんの敵を巻き込んで蹴散らしていくのだが、これが爽快感があって面白い。
ステージのパートごとにプレイ評価が挿入されるのも、「高評価を得るにはどうすればよいか」を考えさせられる作りになっていて、メリハリが付いている。
一転してボス戦では、VFXアクションをうまく駆使した立ち回りを行わないと勝てないパズル的な作りになっていて、骨太なアクションで、かなりやりごたえがある。
少々バランスが厳しいアクションではあるが、買い物の概念があり、稼いだ金でプレイヤーをパワーアップさせたり、一度だけならその場復活できるTAKE2というアイテムや残機を増やしたりも出来る。
それらを駆使しても厳し目の作りではあるものの、辛抱強くプレイすれば「どうやってもクリアできない」ほどのゲームでもないかと思う。
ただ、「KIDS」と言ういわゆるイージーモードまで用意されているものの、それでも難しめのゲームバランスになっているっぽいのは、事実上の救済措置にはなってないので、残念。
独特のゲームシステムを慣れさせる場がもっと必要だったのかもしれない。
途中経過をセーブできるのだが、セーブできるタイミングが、ステージ最初と、ステージの中間地点のみである。
これはチト問題で、ゲームオーバーになったときにそれまでに貯めたお金をセーブしてやめる事ができないのだ。また、ボス戦の前にもインターバルが入ってセーブできそうな雰囲気なのだが、セーブさせてくれない。
下手にボス戦まで進んで詰まってしまっても、セーブしてそこで中断が出来ないので、電源が切れない。これはなんとかしてほしかった。
あとは、VFXアクションの一つ、ズームを使うと、プレイヤーにカメラがズームするのだが、これだとほとんど何やってるかわかんない状態になるのも、気になったっちゃ気になった所。
一度ゲームをクリアすると、より難しい難易度が追加されたり、プレイヤーキャラクタが追加されるなど、何度も遊ばせるような仕掛けがあり、工夫が行き届いている。
ゲームのコツを掴むと、かなり楽しいアクションが決められるようになり、連鎖的に面白くなっていくのであるが、ゲームシステム自体が独特であることもあり、面白さに気づく前にやめちゃう人が出てしまいそうなのは惜しい。
これを前時代的な硬派なアクションゲームと見るか、とっつきの悪いアクションゲームと見るかで、評価が分かれるように思う。
いずれにしても、(2003年としては)稀な硬派なアクションゲームであることは間違いなく、かなり遊び込める作品となっている。
人を選ぶ敷居の高さはあるが、このゲームでしか体験できない面白さがある。