ゼノサーガ1・2


対応機種ニンテンドーDS
発売日2006/03/30
価格4980円
発売元ナムコ

(c)2001 2004 2006 NAMCO / MONOLITHSOFT
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プレイステーション2で発売されたゼノサーガのエピソード1とエピソード2を一本のRPGに纏めたものが本作となる。
エピソード3の発売を間近に控えた販促活動の一環であると思われるが、ゲーム自体の完成度は如何程になっているのだろうか?

2本分のRPGを1本にまとめているのであるが、ストーリーの纏め方が(基本的には)丁寧で、1本になったことで描きたいことの焦点がしっかりしたこともあり、シナリオは難解でありながらもわかりやすい流れを作っていて非常に出来が良い。
単純に最新作の販促活動として適当に作られたというわけではなく、アニメ版の脚本家を起用したりして、シナリオ面に関してはかなりがっちり詰めていったようで、「なるほど、それでか!」と納得がいく作りであると思う。

テキストに専門用語が多く登場する作品であるが、本作ではテキストにハイパーリンクを貼り、その場で用語集を起動して下画面に解説を呼び出すといった機能が搭載されたことで、訳が分からなくなることを回避している。
もっと言うと、一度ゲームを中断して、戻ってきたときに、しばしば話の流れを失念してしまうことが多々あったので、あらすじ機能も欲しかった所だ。

グラフィックは2Dのドット絵で、フィールドはクォータービューを採用している。
立体感を出したくてクォータビューにしたのだと思うが、DSの十字キーは斜めに入りにくいので、動かしづらかった(DSiでプレイしたせいかも知れないが)。
イベントシーンに入ると、背景がPS2版のゼノサーガのポリゴングラフィックの一枚絵にキャラクタの立ち絵(ドット絵)を組み合わせたものになり、ごく一部の見せ場では僅かではあるが3Dムービーも流れる。その他、描き下ろしの一枚絵もたまに挿入される。
セリフを喋ったりはしないが、戦闘シーンの掛け声にはPS2版と同等の声優のボイスが流れるようにしており、なかなか頑張っている。

バトルシステムは、エピソード1のシステムをベースとして、キャラクタの場所移動の概念があり、それを応用した陣形システムが入っており、なかなか面白い。
一部の陣形技、特にシオンの治癒の陣が強力すぎるきらいがあり、そればかりに頼りがちになるため、ゲームバランスは温めに感じられるが、基本的には適度に歯ごたえのある作りとなっている。

サブイベントといった、やりこみ要素的なものはほぼなく、ゲームの進行状況に応じて行ける場所も限られることがほとんどという、かなり割り切った作りである。
強いて言えば、タッチペンを使ったミニゲームが豊富に用意されており、回復ポイントで「ミニゲーム」の項目を選択して遊ぶことができるぐらいか。高成績を残すとレアアイテムがもらえると言った褒美がある。
DSということで、タッチパネルを不用意に使いたがるゲームが本当に多いが、本作はミニゲームに限定しており、使い所を実にわきまえていると言えるだろう。
戦闘シーンで、必殺技を出すたびにタッチパネルを!!みたいな作りにならなくて本当にホッとした。

レベルが上がりやすく、戦闘も嫌らしさが少なくサクサク倒していけるため、ゲームのテンポが格段に良く、実に気持ちよく進んでいく。
本作がストーリー重視のRPGであることをよくわかっていることの証拠だと思う。

最大の欠点というか不満点というのが、エピソード3の発売前に、エピソード1と2を纏めてしまったという中途半端なところであって、ここまで出来が良いと、どうせなら1・2・3をまとめて一つの作品として出して欲しかったと思うのは自分だけだろうか?
むしろそのほうが、商品としてウリになったと思うのだが。
PS2の3DCGムービーのリッチな路線をウリにしたシリーズなので、DS版はそれと比べるとチープで素通りされがちかと思うが、PS2版でスッキリしなかった人や納得がいかなかった人はこっちを騙されたと思ってプレイしてみて欲しい。だいぶ印象が変わるかと思う。
もとは2本分のRPGとはいっても、プレイ時間的にも20時間程度と、綺麗に1本分のRPGとして纏められているので、PS2版を遊ぶよりも短時間でストーリーの概要を体験できるのは良い。

シリーズ未経験者はもちろん、熱心なファンにも触って欲しい一本。





[2020/02/22]
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