ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド


対応機種Switch
発売日2017/03/03
価格6980円
発売元任天堂

(c)2017 Nintendo
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任天堂の人気看板タイトルの「ゼルダの伝説」がWii UとSwitchにやって来た!
「ゼルダの当たり前を見直す」をスローガンに、何作か作られてきたが、据え置きゲーム機で本命の新作が遂にやって来た!
ゲーム内容としては、いわゆる3Dゼルダである「時のオカリナ」を基本としているが、オープンワールドの要素を取り入れ大きく進化。本作はこれを「オープンエア」と呼称している。

ゲームとしての新しさというのは、思っているほどないと思う。特にオープンワールド系のゲームを数多く触っている人からすれば、すでに「コレ見たよ」と言うモノが多いのではないだろうか。
しかし、このゲームが凄いのは、オープンワールドというテーマを細かいところまで丁寧に作り上げているところだ。
この手の作品は、結構細部が大雑把なゲームが多いのではないかと思う。それは、広大なマップの一つ一つを検証しきれないことなどが理由に挙げられるだろう。
この「ゼルダ」が凄いのは、その広大すぎるほどの広大なマップを一つ一つ丁寧に仕上げていって、更にはゲームシステム自体も退屈しないように練り込まれていることが凄いのだ。

何かありそうだなという場所には必ず何かがあり、意味のない空間というものがほぼほとんど存在しない、といっていいぐらい詰め込まれている。
ここまでの密度のもの、そしてクオリティのものを仕上げるために、費やした労力を考えると、本当に頭がクラクラする。

ただ、一つ大きく気になった点として挙げたいのが、キー配置の操作性の悪さである。
どうにも直感的でなく、最後まで馴染むことが出来なかった。これはWii UとSwitchのマルチタイトルでのリリースも大きく関係しているのかもしれない。
ゼルダシリーズはいつもここのレベルが高く出来上がっていただけに、余計違和感が気になってしまったほどだ。
他の部分の出来が良いだけに、ボタン配置の粗さには本当にもったいなさを感じてしまう。

このゲームは、凄いことをさも当たり前のように行っている事が多く、とにかくゲーム全体のレベルが高すぎるのだ。
ゼルダシリーズ自体、その傾向が強かったが、本作は「時のオカリナ」が出たときと同様、ゲームのレベルの価値基準というものを一段と引き上げたと言っても過言ではないかもしれない。

その凄さを一言で表すとすれば「自由」である。
これまでもオープンワールドのゲームで「自由」を掲げたゲームは海千山千と出てきている。
ところが、それほど自由度を感じさせるほどのものはなかったかと思う(もちろんそれなりにはあったのだけど)。

このゲームは、「自由」なのだ。
例えば、謎解きの解法も一つだけではなく、複数用意されていて、決まりきった答えはない。「えっこんな力技でも良いの?」と驚いてしまうことが多々あった。
各地に用意されたサブイベント、クエスト(チャレンジ)も、やってもいいしやらなくても良い。なんなら、メインチャレンジであるガノン討伐も、やってもいいしやらなくてもいいという雰囲気すら感じる。
用意されたクエストも、攻略する順番をなるべく好きなように選ばせる作りになっていて、これもクリアまでに必須のイベントというものが最小限に留められているので、好きなように遊べる。

任天堂は、このゲームを玩具(おもちゃ)にしたかったのではないだろうか。
ゲームクリアが目標ではない、自分で遊びたいものを探し、そして好きなように遊べる。そんな夢のようなゲームが、遂に出てきたか!と言う驚きすら感じる。
ゲーム自体のボリュームも相当なもので、物量的にも凄まじい熱量を感じる。

このような、ある種、理想的な形のゲームの一つが、極めてレベルの高い状態で生まれてきた今、作り手も遊び手もただただ惚けるしかない。

とにかく言うまでもなく素晴らしいゲームで、どこがどう素晴らしいのかアレもコレもと書かなければレビューとしてはいけないものなのだろうが、このゲームに関しては、あらゆる要素が気持ちよく組み上がっていて、一つ一つを取り出して書くことすら今作においては思いつかない。
もうこれはもう、触っていただいて、如何にこのゲームが凄いのかというのを、体験していただくのが本当に早いと思う。
ただ、キー配置だけはなー、もうちょっとなんとかならなかったもんかなあ。まあ、慣れで多少は解決できるものではあるのだけども(しつこい)。

相変わらず、ゼルダの伝説はその時その時で「最高」を提示する、究極の作品であった。未プレイ者は今すぐ遊んでその凄さに打ち震えろ!!





[2019/11/05]
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