ひびかけ色のキセキ


開発ツールRPGツクールVX Ace
発売日2016/01/14
価格0円
発売元econa

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バトルをメインとしたノンフィールドRPG(フィールドマップがないRPG)。
魔法少女たちが熾烈な戦いを繰り広げる設定で始まる、独特のユーザーインターフェイス、世界設定が魅力的なゲーム。

「テストオブマジック」の事実上、発展的続編となっており、詳しいゲーム内容についてはそちらの項目に譲ることにする。
また、便宜上、「テストオブマジック」を前作として呼称する。

簡単にゲームシステムを紹介する。

このゲームは、フィールドマップがない。装備品を買ったりという要素もない。ストーリーとバトルが交互に繰り返される構成となっている。
章立て方式で、ステージで区切られており、ステージの最後にはボス戦が待っている。

成長システムは、経験値を溜めてレベルアップの他に、敵を倒すと手に入る事があるエナジーを消費して、スキルのレベルを上げることが出来る。
スキルのレベルを上げると、そのスキルは強化され、性能がパワーアップする。攻撃魔法であれば威力が上がり、ステータス上昇系スキルであれば、その効果がアップする。

バトルはリアルタイム方式であるが、他のゲームにはない特徴的な要素として、ガードがある。
味方キャラのゲージを止めることで、ガードが出来て、敵の攻撃に備えることが出来るのだ。ガードを上手く活用することで、ダメージを抑え、優位に戦いを進めることが出来る。

今軽く紹介したように、目の前に出現する敵を倒し、経験値とエナジーでパーティを強化し、ボスを倒すことで、ストーリーが進行する。
実にシンプルで無駄のない作りだ。

さて、前作とほぼ同一のゲームシステムを採用しているのだが、様々な部分が隙間なくグレードアップしていて、かなり完成度が高まっている。

前作では、回復魔法を持ったキャラと強い攻撃スキルを持ったキャラを入れて、同じ技を連発しているだけで良いちょっと単調なゲームだった。
しかし、今回は、スキルのバリエーションも増え、キャラの特性も多彩になったことで、同じことだけしてればいいバランスではなく、戦術の自由度が俄然高まって面白くなっている。

加えて、敵もバリエーションに富んでおり、一筋縄でいかないギミックも登場。凝った特殊攻撃でプレイヤーを苦しめる。
それ以外に、時折ランダムでチェインバトルが発生することがあり、普段より強い敵が不意に出現する。

バトルでは、右側にタイムラインが表示されるようになり、ガードするタイミングが前作よりわかりやすくなった。
また、MP回復の手段として自身を回復させる「チャージ」と、他者のMP回復させる「リンケージ」が登場。
これは、ただ他者のMP回復だけでなく、キャラごとに補助効果が付いており、たとえば「リンケージ」で必中効果を付けられるキャラが、サポートに回り
MP回復と必中効果を与えて攻撃すると言った戦い方が出来て、かなり面白い。

バトルステージは、これらのテコ入れと工夫により、単調さが払拭され、かなり楽しめる代物となっている。

前作は、獲得したエナジーをスキル強化に使ってしまうと、もとに戻せないため不便であった。
今作では、いつでも好きな時に使ったエナジーを元に戻して振り直しができる。
これはやりすぎではないかと思ったが、実際かなり便利で、無駄な稼ぎ作業を強いられること無く、色々なことが試せる。素晴らしい。

前作でどこか食い足りなさを残したストーリーも、大幅にボリュームアップされ、一つのRPGとして満足できるほどのものになっている。
キャラクターも、更に可愛くデザインされており、良い。

その他、弱かった部分として、やりこみ要素が強化された。
アチーブメント機能が実装され、100個のチャレンジ項目の達成を目指して、クリア後も楽しめる配慮がある。

一度クリアしたステージに戻って、パーティメンバーを好きなだけ育成できたり、クリア後のボーナスステージもあり、長く遊べる作りをしっかり心がけている。

また、相変わらず音楽が凄くいい。クリア後にサウンドテストモードが解禁されるのも嬉しい限りだ。
こんなに音楽に力入っているゲームも中々無いだろう。素晴らしい。

独自設計のユーザーインターフェイスと、独特のセンスを持った世界観、この2つによって、一個の作品として完成している、確立していると言ったら言い過ぎだろうか。
ちなみにエンディングまでのプレイ時間は大体6時間程度。そこで結論。

センスの良さが磨き上げられさらなる高みへ到達した良作!





[2017/02/08]
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